七五三のお詣り(お参り)の流れ
子供の成長を祝う七五三ですが、衣装やお祝いの準備など、しなければならないことが多く、非常に大変です。
しかし、一番大切なのは子供の幸福を神仏に祈願することですし、せっかくなら作法通りのきちんとしたお詣りをしたいものです。
この記事では、七五三詣りの流れや知らないと恥ずかしいマナー、当日困らないために準備しておいた方が良いことについて解説します。
お詣りはお寺と神社のどちらが良いのか、御祈祷は必ず受けるものなのかといった疑問にもお答えしますので、参考にしてください。
七五三詣りの流れとマナー
七五三は、地元の神社である氏神様に子供の成長を感謝し、この先も幸せに暮らせるように祈願する行事です。
ただし、必ずしも地元の神社にこだわる必要はなく、地元以外の有名な神社にお詣りしても良いですし、お寺でも七五三詣りをすることができます。
ここからは、七五三詣りの流れとマナーについて、神社とお寺の場合に分けて解説していきます。
■神社でのお詣りの流れ
神社でのお詣りは、次のような流れになります。
1.一礼をしてから鳥居をくぐる。
2.手水舎で心身を清める。
3.神殿の前で一礼し、お賽銭を入れ、鈴を鳴らす。
4.二礼二拍手一礼で参拝。
それぞれについて、詳しく見てみましょう。
<一礼をして鳥居をくぐる>
神社は神様のいる神聖な場所ですので、鳥居を時には一礼してから入ります。
参道の真ん中は神様が通る道ですので、中央は空けて端を歩くようにしてください。
<手水舎で心身を清める>
参拝の前に手水舎(てみずしゃ)に寄り、次の作法で身心を清めます。
1.右手でひしゃくを取って水をくみ、左手に水をかけて清める。
2.ひしゃくを左手に持ち替え、右手を清める。
3.ひしゃくを右手に持ち直し、左手に水をためて口に含み、すすぐ。
4.ひしゃくを立てるようにして柄の部分に水を流し、ふせて元の場所に戻す。
<神殿の前で一礼し、お賽銭を入れる>
神殿の前まで来たら一礼し、賽銭箱にお賽銭を静かに入れます。
鈴やがある場合には鈴を鳴らし、神様に自分が来たことを知らせましょう。
お賽銭と鈴の順番に決まりはなく、鈴が先でもかまいません。
<二礼二拍手一礼で参拝>
二礼二拍手の参拝方法は、深いお辞儀を2回し、柏手を2回打って手を合わせます。
子供が無事に育ったことへの感謝の気持ちを伝え、心を込めて手を合わせましょう。
最後にもう一度一礼して参拝を終えます。
多くの神社では二礼二拍手で参拝しますが、神社によっては参拝方法が違うことがあるので、事前に確認しておくといいでしょう。
■お寺でのお詣りの流れ
お寺でのお詣りは、次のような流れになります。
1.山門で一礼、または手を合わせてから入る。
2.手水舎で心身を清める。
3.鐘をつく。
4.香閣があればお線香を供える。
5.本堂で一礼してお賽銭を入れ、手を合わせる。
<一礼して山門を入る>
山門とはお寺の門のことで、一礼するか、手を合わせてから入ります。
<手水舎で心身を清める>
参拝の前に手水舎で心身を清めます。
やり方は神社の場合と同じですので、上記を参考にしてください。
<可能であれば、鐘をつく>
鐘をつかせてもらえるお寺であれば、まずは鐘をついて、仏様に自分が来たことを知らせましょう。
参拝後に鐘をつくのは縁起が悪いとする説もあるので、つくなら参拝前にします。
<香格にお線香を供える>
大きなお寺では、香閣と呼ばれる大きな香炉があるので、そこでお線香を供えます。
香閣の煙を体に浴びると丈夫になったり、悪いところが治ったりすると言い伝えられています。
<一礼してお賽銭を入れ、参拝する>
本堂に入ったら、お線香やろうそくを供えることができるお寺の場合は、お供えします。
参拝の前に深く一礼し、賽銭箱に静かにお賽銭を入れます。
神社のように柏手は打たず、静かに手を合わせてお祈りしましょう。
手を合わせたまま一礼し、参拝を終えます。
御祈祷は必ずしないとダメ?
七五三の御祈祷は、必ず受けなければいけないものではなく、それぞれの家庭で自由に決めていいものです。
家族で心を込めてお詣りするだけでも十分ですし、御祈祷を受けなかったからと言って、縁起が悪いこともありません。
また、お寺は一般的に御祈祷はしませんが、参拝者の多い有名なお寺では、七五三の御祈祷をしているところもあります。
ここからは、御祈祷を受けたい場合の準備について解説します。
■時間や受付方法を確認しておく
七五三シーズンは毎日御祈祷を行っている神社が多いですが、念のため、受けられる日にちや時間帯をホームページなどで確認しておくことをおすすめします。
大きな神社や大安吉日は特に混み合うので、受付場所なども確認しておくと安心です。
また、七五三の御祈祷では、初穂料(御祈祷のお礼)の金額が決められている神社も多いので、あらかじめ知っておいた方が無難です。
ただし、金額が決まっておらず、「お気持ちで」と言われた場合には、5,000~10,000円が相場になりますので参考にしてください。
■初穂料ののし袋の書き方
神社に納める初穂料は、のし袋に入れて持参するのがマナーですので、当日までに準備しておいてください。
ただし、大勢が訪れる有名な神社などでは、のし袋に入れないで金額だけ納めるように言われることがあるので、ホームページなどで確認しておくのがおすすめです。
のし袋の種類や表書きは、次のようにします。
<のし袋の種類>
紅白の蝶結びのもの。
七五三は何度も祝う行事ですので、結婚式などに使う「結びきり」ののし袋は使いません。
<表書き>
神社の場合は、「御初穂料」「初穂料」「御玉串料」「玉串料」など、お寺の場合には、「御祈祷料」や「お布施」と書きます。
名前は、親ではなく、御祈祷を受ける子供の名前をフルネームで書きます。
兄弟で一緒にする場合には、一つののし袋に人数分のお金を入れ、名前は連名にしてください。
一番上の子の名前はフルネームで、二番目からは下の名前だけ書くようにします。
お詣りの時期はいつ?服装は?
七五三は11月15日ですが、10月中旬から11月半ば頃までに七五三詣りをする家庭が多く、七五三のピークの時期です。
また、正装しなければいけない決まりはありませんが、神社仏閣にお詣りするのに相応しい、きちんとした服装をする人が多数を占めています。
一般的には、正装の着物の他、スーツやワンピースなどの少し改まった服装が多いです。
感謝する気持ちが何よりも大切(まとめ)
七五三のお詣りは神社でもお寺でもかまいませんが、それぞれ参拝の仕方が違うので、事前によく確認しておくようにしてください。
御祈祷を受ける場合には、次のような準備をしておくことをおすすめします。
・御祈祷が受けられる時間帯や受付場所の確認
・初穂料に決まった金額があるかどうかの確認
・初穂料を入れるのし袋の準備
この記事では、七五三のお詣りについて解説しましたが、七五三は子供の成長に感謝し、幸せな人生を送れるように祈願する行事です。
大切なのは、神仏や周囲の人々に感謝し、心を込めてお参りすることだということを忘れないでください。
お父さん・お母さんの服装についてはこちらのコラムで詳しく紹介していますので、こちらも参考にしてみて下さい。